お寺の住職さんに、こんな話を聞いたことがあります。
あるところに、六人暮らしの家と二人暮らしの家が並んでいました。六人暮らしの家は、いつも仲良く暮らしているのに、二人暮らしの夫婦は、いつも喧嘩をしています。
ある日、喧嘩ばかりをしている二人暮らしの奥さんが「どうしてそんなに仲睦まじいのですか?」と理由を尋ねました。
すると、六人暮らしのお母さんは「お宅は、お二人とも善人だから争うのですよ。私どもの家は悪人ばかりですから、仲良くやっていけるのです」と答えました。
悪人とは?旦那さんが「俺が悪かった」、奥さんが「いえいえ、悪いのは私です」、そして、おばあさんが出てきて、「この私の不注意でした。私が悪いのです。」と自分から悪人になるので、喧嘩になりません。
これに反して、善人とは?「俺の考えは絶対に間違っていない。おまえが悪いんだ。」、「いいえ、私の言っていることの方が正しいわよ。あなたの方が悪いのよ」と売り言葉に買い言葉…いつまで経っても平行線です。
私も結婚して35年になります。
結婚してからの人生で、水泳のコーチから、社長になりましたが、オーナー社長ではなかったので、突然職をなくしました。その後、起業という経験もしてきました。
そして現在は、会社やお店のサポートという素晴らしい仕事をさせて頂いています。
これまで、いつも突然のことでしたが、家内は文句を言うことなく、受け入れてくれました。
満点の夫、妻ということではありませんが、家内は満点を求めるのではなく、そこそこのところで我慢してくれたのではないかと思うのです。
経営の場面でも、ついつい思うような行動をしてくれないスタッフに、不満を抱くようになります。
私も経営者になりたての頃は、スタッフを追い込んでしまうこともしばしばでした。
「少欲知足」という言葉に出会って、「おかげさま」の気持ちを持てるようになりました。
この「おかげさま」という言葉は、なにげに使っていますが、「かげ」に「お」をつけて、最後に「さま」までつけているんですよ。
「かげ」とは、目に見えないところで支えてくれている人々やモノをさすそうです。
「不満ばかり言っている人生」と「感謝して生きる人生」…どっちが幸せ?