私の友人にとっても小さな台紙に似顔絵を描くイラストレーターがいます。
面白い商品なのですが、なかなか売れないので私に相談に来ました。
クラフト展などでパフォーマンスをするときに使う、自己開示の文章を書いたパンフレットを作りましょうと提案しました。
その自己開示文がこれ…キャッチコピー(タイトル)は『これ売り物じゃないんです』
自分にとって今や宝のようなアート。
これですべてが動き出し、自分自身の技術の集大成であり、求め続けてきた物。
でもきっかけは何気ないやり取りから。
私は幼少の頃から絵描きになる事が夢で似顔絵やイラストを描き続け、今は仕事として続けています。そんななか、ご縁があり定期的にパフォーマンスをさせて頂ける事になった施設で似顔絵をやらせて頂いておりました。
似顔絵の注文が一段落し、休憩中なにか描きたいなと、ふとバックの中に小さな小さな額縁が3つあることに気が付きました。
いつか使おうかと買っておいた物でした。そして暇つぶしながらのイラストをちょこっと描いて小さな額縁に入れ、飾っておきました。
すると女性のお客様が、絵をお願いしたいと前に座りました。
私は似顔絵ですね、ありがとうございますと言うと、お客様はこう言いました。
「ちがいます、この小さな絵が欲しいんです」
私はビックリし、そして自己満足に描いた絵だったのに売りたくないという感情に一気に変わりました。
これ売り物じゃないんです!
というとそのお客様は、絶対欲しいんです、と。
でも私は少し高めで言えば買わないと思い(当初は売りたくなかった)1000円ですと言うと、お客様は「買います」・・・何とそのイラストを買ってくれたのです。
なくなってしまった絵が凄く寂しく思い、残った二つの額縁にも小さなイラストを描き飾っておきました。
するとその小さな二つの絵もすぐさま売れてしまいました。
私は驚きました。
お客様に売ろうと構えていた似顔絵でなく、自分自身の無欲の絵が売れていく嬉しさ。
お客様がその絵を手にした時の嬉しそうな笑顔や言葉。
私はこれだ!と思いました。
そしてこの小さな絵にミニチュアアートと名付け、原画のみを展示販売し、コピー販売は一切しないというルールを作り、いまがあります。
これを読んだ方から大きな商談も入り、売上も大きく拡大しました。
大きな販促をしたのではありません。
自分の体験情報を知らせただけなんです。
「自己開示」侮るなかれ!